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「会わない」とは「永遠の別れ」ではない

会えなくなった人、会わないことを選んだ人、気がついたら疎遠になった人。みんな「顔を合わせていない」というだけで、永遠に別れたとはいえないと思うんです。心の中でいつでも会えるかもしれないし、10年・20年と時が経てばまた会えるかもしれません。

会えなくなった人は心の中でいつも生きている

最後に別れの言葉もかけられず、二度と会えなくなった人がいます。大切に思っていた祖母です。

記憶の中で一番新しく、印象に残っている言葉は「わざわざ東京まで出たのに何してるの?ビッグにならなくちゃ!」です。

東京に出てきたら面白いことがあるかもしれない。私の平坦な人生に何か変化が起きるかもしれない。そんな環境任せで甘えた期待を抱いていた私に、喝を入れてくれました。

私はビッグになりたいわけではないけれど、ずっと自分と向き合うことから逃げてきた。周りに流されて、いつか周りが自分を変えてくれると期待していたことに、自分でも気づかなかったのです。

あの言葉はずっと胸に残っていて、今日も私の背中を押してくれる。最初の贈り物は、この世に生まれてこれたこと。最後の贈り物は、精一杯生きなさいという、人生の教え。

祖母には感謝の気持ちしかありません。直接は会えないけれど、心の中にある思い出や言葉は、私の人生をともに歩んでくれています。

会わなくなった・疎遠になったのは悪いことじゃない

長い人生では、一度出会った人・一年中頻繁に顔を合わせていたような人でも、何かの拍子にまったく会わなくなることがあります。

それは、気が合わなくなって離れる選択をしたからかもしれないし、単純に環境が変わって会わなくなったからかもしれません。

時には強い意思を持って、やむを得ず”距離を置かなければならない”場合もあります。

でも、そんなときも罪悪感を抱く必要は全くないと思うんです。合わないものは合わないし、無理に合わせようとするだけ、お互いにとって我慢の多い関係になってしまいます。離れたほうがお互いハッピーなら、そのほうがいい。

そして、人は生きる過程で経験し、学び、成長していきます。今はウマが合わなかったとしても、もし10年後に再び出会ったとしたら、また違った関係を築けるかもしれません。

私の身内が、10年間引きこもり生活をしていました。それ以前は大の仲良しでしたが、丸10年のあいだ一切口をきかなくなってしまったんです。

でも今では、私よりもバリバリ働いて、健康的な生活をして、趣味だって満喫しています。すっかり丸く、人に優しくなりました。そんなことだってあるんです。

“頻繁に顔を合わせる”だけが人間関係のあり方じゃない。時には距離ができてもいいし、また会っても会わなくても「別れ」だとは決めつけなくてもいい、と思います。